バックファイア効果

バックファイア効果とは、ある認識や意見を持っている人が、その認識や意見を第三者から否定されると、返ってその認識を強くしてしまう心理です。

バックファイア効果は英語では、Backfire Effectですが、バックファイアには裏目に出るという意味があります。

バックファイア効果はダートマス大学のブレンドン・ニャンとエクセター大学のジェイソン・エイフラーが2010年に提唱しています。

バックファイア効果の実験

ニャンとエイフラーは以下の実験を行っています。

大学生を2つのグループに分けて、ある記事を読ませています。

A. イラクに大量破壊兵器があるとしてイラク戦争に踏み切ったジョージ・ブッシュ元大統領を支持するニュース記事
B. Aの記事に加えて「大量破壊兵器は見つからなかった」というCIAの報告書

その後、各グループの学生に「イラクは大量破壊兵器を確かに保有していたが、発見される前に廃棄したのだという説を支持するか」と質問しました。

その結果、Bのグループの方がより強くこの説を支持しました。

この実験はバックファイア効果に関する実験として有名ですが、以下の点からバックファイア効果が一般的にあるという証明にはならないとの批判もあります。

  • 被験者の人数が200名に満たない
  • アメリカの学生という限定された被験者
  • 実験のテーマがタイムリーすぎて普遍的な真理効果を検証できない

実験の時期がイラク戦争の是非が論争されていた時期と重なるため、被験者が実験で提示された以外の情報も多く持っていたと考えられます。