コンパッション・フェード

コンパッション・フェードとは、援助を必要とする人の人数が増えるほど同情や共感の気持ちが薄れてしまう現象のことです。英語ではCompassion Fadeです。

コンパッション・フェードは認知バイアスのひとつで、心理学者のポール・スロヴィックが提唱しました。

しかし、コンパッション・フェードの概念は1947年のヨシフ・スターリンの言葉「ひとりの人間の死は悲劇だが、数百万人の死は統計だ」によって示されています。

コンパッション・フェードの例としては、慈善団体への寄付金のデータがあります。

それによるとひとり当たりの寄付金額は、犠牲者の人数が多いほど少なくなっているのです。

コンパッション・フェードの原因

コンパッション・フェードが起こる原因は、人が感じる同情には限界があり、被害者の数が多いとその限界を超えてしまうからです。

そのため、大事故や大災害などの場合、人は大量の苦しみを避けるために同情心を制限します。

その結果、心理的な麻痺状態となって感情が高ぶらなくなり、同情心も薄れてしまうと考えられています。