おとり効果

おとり効果(Decoy Effect)は、特定の商品の売上を上げたいときに「おとり」として性能やコストパフォーマンスの悪い商品を同時に販売することで、特定商品の売上を上げる方法です。
まずは、おとり効果の実験結果を見てみましょう。

おとり効果の実験

学生に対して経済誌の定期購読の選択肢を与える実験をしました。まずは次の選択肢を与えます。

A. ウェブのみ購読  $59
B. 冊子&ウェブ購読 $125

この選択肢ではBの選択率は32%でした。

次に以下の3つの選択を与えます。
A. ウェブのみ購読  $59
B. 冊子のみ購読   $125
C. 冊子&ウェブ購読 $125

この選択肢ではCの選択率は84%に跳ね上がりました。この選択肢ではもちろんBがおとりとして機能しています。

同じような選択肢を与えられた経験がある人は多いと思われますが、自分がそのとき何を選択したのかを思い出してみると、おとり効果を理解できるはずです。

おとり効果の実例

おとり効果の実験では最も高額なサービスを選択させるためにおとりを使っていましたが、中間価格帯を選択させるためのおとりもあり、そちらの方がより現実的な業種も多いかもしれません。

たとえば、お弁当に次の3種類の値段があるとすれば、あなたはどれを購入するでしょうか。

A. 300円
B. 500円
C. 900円

様々なケースが考えられますが、Bを選ぶ人が多いと推測できます。あまり安いと不安になる人もいるのでAを避ける人は多いでしょう。

CはAの3倍もするので避けられる可能性が高く、Bの500円に売上が集中するはずです。

つまり中間の価格帯を主流にしたい場合は、極端に高い価格の選択肢を提供することで目的を達成することができます。

マーケティングだけではなく日常生活でもおとり効果が使われているケースがあります。

よく聞く話としては合コンなどで自分より外見が劣る人を連れて行くという方法があります。これもひとつのおとり効果と言えるでしょう。

しかし、あまりにも魂胆がわかりすぎて逆効果になることも考えられます。おとりを使う人は性格が悪いと判断されやすいからです。

相手が異性のどこに惹かれるのかがわかっていれば、それを逆手にとっておとりを連れていくこともできます。

清楚な女性に惹かれる男性の場合、見た目が派手な女性をおとりとして連れて行くなどが考えられます。