バラ色の回顧

バラ色の回顧(Rosy Retrospection)は、過去美化バイアスとも呼ばれていて、過去の出来事がその時点での評価よりも、良い評価の記憶として思い出す傾向のことを言います。

バラ色は幸せを象徴する色として使われています。

つまり過去の記憶が美化されやすく、「昔はよかったなあ」という言葉が出やすくなります。

バラ色の回顧の原因

バラ色の回顧が起こる原因としては次のことが考えられます。

よい出来事と悪い出来事では相対的に悪い出来事の方が忘れやすいのが人間の脳の働きです。

嫌な出来事を引きずってしまうと日常性格に支障が出るからです。

その結果、過去の出来事はよい出来事の記憶が残るので、よい記憶も悪い記憶も混在している現在よりもよく見えてしまうのです。

また、人は若さに憧れる傾向があります。年とともに若い頃にはできたこともできなくなってしまうからですが、若い頃もよいことばかりではなかったはずです。

若さに憧れることと若い頃はよかったということを混同してしまい、若い頃の記憶が美化されがちになります。

もうひとつ人は過去の自分の決定や選択を否定されたくないため、明らかな失敗であってもいろいろと理由を後付けして自分で納得していまいます。

これも過去の美化につながっています。