ゼロリスクバイアス

ゼロリスクバイアスとは、全体的にリスクを軽減するのではなく、特定のリスクを完全に排除しようとする心理です。

ゼロリスクバイアスに陥ると、特定のリスクを完全に排除したことで安心してしまい、それ以外のリスクはさほど配慮しなくなり、結果的にリスクを負うことにつながります。

英語ではZero-Risk biasです。

たとえば、何を食べてもガンになるリスクはありますが、発ガン性物質が含まれる食材を徹底的に排除すると、ガンに対するリスクがなくなったと考えてしまうのもゼロリスクバイアスのひとつです。

ゼロリクスバイアスの問題点

ゼロリスクバイアスの背景には、特に日本人のきれい好きの気質が関係している可能性があります。

たとえば、大手メーカーどの作ったパンはカビにくいが、自家製のパンはカビやすいという事実があります。

日本人はこれを知ったときに大手メーカーでは、かびにくくするために食品添加物を使っていると考えて、そのことに対してリスクを感じてしまいます。

実際にはカビが発生するのは家庭での環境が問題であって、人の手に触れたり、かびやすい環境だったりが原因となります。

これに対して大手メーカーでは製造する環境では徹底してカビが発生しにくい状態にしているため発生が抑えられています。

食品添加物は人体に影響がないことが認められて使用しているのですから、カビが発生する方が健康に対するリスクは大きいのです。

このようにリスクに対する考え方を間違えてしまうと、いくらリスクをゼロにしても問題の解決にはなりません。

ゼロリスクバイアスへの対処法

ゼロリスクバイアスを避けるためには、まったくリスクをゼロにすることはできないことを認識する必要があります。

ひとつのリスクを徹底して排除しても、他にもリスクがあると認識していれば、なるべく多くのリスクを軽減したほうがいいと気付くはずです。

ひとつのリスクは徹底してゼロにできる可能性はありますが、あらゆるリスクをすべて排除するのは不可能です。

つまりゼロリスクはあり得ないと考えましょう。

それによってゼロリスクバイアスに対処することができます。