マジカルナンバー

マジカルナンバー(Magical Number)は、アメリカの心理学者ジョージ・ミラーが提唱した理論(ミラーの法則)の中で使われている数字で、人が保持できる短期記憶の情報数のことです。

論文では7±2(5~9)がマジカルナンバーとされています。

短期記憶は人が瞬間的に保持できる記憶で、情報の大きさにも限界があり数十秒しか記憶できないとされています。

そのため、情報の塊をマジカルナンバーで区切って表示すると情報処理が容易になります。

マジカルナンバーとチャンク

ミラーは情報の塊をチャンクと名付けています。たとえば下記の住所はひとかたまりの情報でチャンクがない状態です。

住所:東京都品川区豊町1-2-3

上記の情報はマジカルナンバーの最大値の9を超えています(記号を除いても13)。そのため短期記憶には残りにくくなるので、以下のように空白を挟みます。

住所:東京都 品川区 豊町1-2-3

上記のように区切ると3つのチャンクができることになり、それぞれのチャンク内での文字数(情報数)が5~9の間に収まることになります。

これでこの住所を転記するときには、チャンクごとに短期記憶が可能になるのでスムーズに転記ができます。

このチャンクで誤解が生じるのは、たとえばレストランのメニューの数はマジカルナンバー以内にするべきだといった誤解です。

マジックナンバーは短期記憶するための情報数なので、記憶する必要がなく何度でも見返せるメニューでは情報数の制限は必要ありません。

つまり9以内にする意味はありません。

新マジカルナンバー

ミラーのマジカルナンバーは1956年に発表されていますが、その45年後にネルソン・コーワンが新マジカルナンバーを発表しています。

その数字は4±1(3~5)です。ミラーの時代から現在では情報量などが大きく異なっています。

ネットの普及によって情報量が膨大となったため、人々は記憶できなくなり必要なときに検索するシステムを利用するようになりました。

マジカルナンバーが少なくなったのもこの辺りに原因がありそうです。