イエス・バット法

相手の意見に反対するときに、最初から否定せずにいったん相手の意見を肯定してから自分の意見を主張する会話術がイエス・バット法です。

イエス・バット法は否定の接続詞を使うため、この話術でも否定されたと感じる人が残るため、より改善されたイエス・アンド法もあります。

イエス・バット法の具体例

イエス・バット法では相手の意見と自分の意見が違っていても、いきなり否定はせず一度相手の意見を肯定します。

つまり相手の意見を尊重していることを示してから自分の意見を述べるので、相手から受け入れやすくなります。

日常会話の例

A「さっきの映画つまらなかったね」
B「確かに酷いストーリーだったね。でも、映像はきれいで音楽も良かったと思うよ。」

日常会話でも相手の意見や考え方を全面的に否定したり、肯定したりできる場面はそれほど多くはありません。

少しは相手に同意できる部分や意見が異なる部分があるのは、まったく同じ人間ではない限り必ずあることです。

一部分の意見が合わなかったからといって相手を全面否定するのではなく、肯定できる部分は肯定してから自分の意見をいうイエス・バット法を利用すると会話がスムーズになります。

ビジネス会話の例

A「この商品は値段が高いね。」
B「確かに他の商品と比べると高い価格設定になっています。しかし、これには理由があって性能も他の商品と比べると格段に高いからなんです。」

ビジネス会話ではいくら先に肯定していたとしても、否定の接続詞が頭に残ってしまうので、購買につなげるのは難しいかもしれません。

ビジネスではイエス・バット法よりも、イエス・バット法の効果が高いと考えられます。

イエス・バット法は相手を認めつつも強く自分の意見を通したいときに使うと効果があるので、たとえば下記のように子供にいい聞かせるときなどはイエス・バット法が効果的です。

子「今日○○ちゃんのズボンのチャックが開いていたの。だからみんなに教えてあげたら笑われてた。」
母「そう、よく気が付いたわね。でも、みんなの前で教えたら○○ちゃんは恥ずかしいから、こっそり教えた方が良かったわね。」