バーナム効果

バーナム効果(Barnum Effect)は星占いなどでよく使われる心理効果のひとつで、誰にでも当てはまるようなあいまいなことを、自分だけに当てはまると考えてしまう心理現象です。

興行師バーナムが 「we've got something for everyone(誰にでも当てはまる要点というものがある)」と言った言葉にちなんで、アメリカの心理学者ポール・ミールが名付けました。

また、アメリカの心理学者バートラム・フォアの名前からフォアラー効果と呼ぶこともあります。

フォアの実験

1948年にフォアは学生を対象にして以下の実験を行っています。

被験者に以下の文章(抜粋)を被験者の分析結果として渡し、5段階の評価をさせています。

しかし、この文章自体は実際に分析した結果ではなく、星座占いの文章を組み合わせたものでした。

  • あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。
  • また、あなたは弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。
  • あなたは使われず生かしきれていない才能をかなり持っています。
  • 外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になったりする傾向があります。
  • 正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります。
  • あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。

被験者にどれだけ分析が当たっていたかを5点満点で評価させたところ、平均は4.8ポイントとなりました。

バーナム効果が高い効果を得るためには、以下の要素が必要なことがこの実験後の研究によってわかっています。

  • 被験者がその分析は自分にだけに適合すると信じている
    (実験では被験者の分析結果といって手渡している)
  • 被験者が評価者の権威を信じている
    (評価者は著名な心理学者だった)
  • 分析が前向きな内容ばかりである
    (前向きな内容の文章しか渡していない)

上記の項目がひとつでもかけているとバーナム効果が現れない可能性が高くなります。

そのため、一般の人が友人に対して実行しようとしても、権威に欠けるため効果はほとんどないと考えられます。