フランクリン効果

フランクリン効果(Franklin Effect)のフランクリンはアメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンのことです。

フランクリン効果は、人は相手を助けるという行動を起こしたときに、「親切にするのは、相手のことが好きだから」と結論を出すというものです。

ベンジャミン・フランクリンがこの効果を利用して、政治活動をしていたことから名付けられました。

フランクリン効果が実証された逸話

フランクリン効果が提唱されることになったのは、ベンジャミン・フランクリンが実際に経験した逸話が元になっています。

フランクリンはペンシルバニアの州議会で、仲が悪かったある議員を味方に付けたいと考えました。

その方法はほめたり親切にしたりすることではなく、頼み事をすることでした。

具体的にはその議員に対して「本を貸して欲しい」と頼みごとをしました。

その結果、その後議員の態度が明らかにフランクリンに対して優しく親切になり、味方に付けることに成功しました。

フランクリンはこうした手法で仲間を増やしていったと言われています。

フランクリン効果と認知的不協和

フランクリン効果は心理学の「認知的不協和」を応用した、自分を嫌っている人を仲間に引き入れる手法ということができます。

認知的不協和は感情と言動が不一致の時に感じる違和感のことになります。

この違和感を覚えると、人はどちらかを修正しようとする行動をとることになります。

たとえるならば、ギターの音程が合っていないと不快になりますが、それを修正するためにギターのチューニングをするようなものです。

フランクリンの逸話でたとえると、本を貸すという親切な行動と相手を嫌うという感情は一致しないので、認知的不協和が発生することになります。

どちらかを修正しなくてはいけませんが、本を貸すという行動は取り消すことができないので、必然的に嫌いだという感情を修正して好きになるという感情を持つしかなくなります。

認知的不協和をそのままにしていると脳はストレスを感じるので、何とかつじつまを合わせて不協和を取り除こうとする結果が、フランクリン効果を生み出すのです。

フランクリン効果の例と応用

「手間がかかることどもほどかわいい」という言い回しがありますが、これもフランクリン効果で説明が付きます。

自分の子供なのでかわいいのは当然ですが、手間をかけることが多いとフランクリン効果が発生してかわいいという感情が増幅されると考えることができます。

また、男女関係でも女性にお願いことをされると断れない男性は多いはずです。

それを利用すれば、簡単なお願い事をすることで自分を好きにさせることも可能になります。

好きだから何かしてあげたいというのも事実ですが、何かしてあげたから好きになったというのも事実なのです。