セルフ・ハンディキャッピング

セルフ‐ハンディキャッピング(Self-handicapping)は、自分自身にハンディキャップを作ることで、失敗しても傷つかないようにあらかじめハンディキャップを主張あるいは作り出すことを言います。

いわゆる予防線を張ることで、試験前に風邪を引いたと言い訳をしておくことなどがセルフ・ハンディキャッピングです。

また、試験前や掃除をしている途中で漫画や本を読んでしまうのもセルフ・ハンディキャッピングのひとつです。

わざわざ忙しいときにやらなくてもいいことをやって、自分自身にハンディキャップを付けています。

セルフ・ハンディキャッピングは心理学者のスティーブン・ベルグラスとエドワード・ジョーンズによってその著書の中で名付けられています。

それによるとセルフ・コンパッションは以下のように定義されます。
「特定の行動における困難に対し、あらかじめ積極的に対処しておくことで、自分の能力に関するイメージを守る手段」

2種類のセルフ・ハンディキャッピング

セルフ・ハンディキャッピングには以下の2種類があります。

主張的セルフ・ハンディキャッピング

主張的セルフ・ハンディキャッピングは周囲に向けて言葉を発する典型的なセルフ・ハンディキャッピングです。試験前だと知っている人に対して「あまり勉強してなくて」と言えば成立します。

遂行的セルフ・ハンディキャッピング

遂行的セルフ・ハンディキャッピングは行動によるセルフ・ハンディキャッピングのことを言います。試験前に飲酒したり、徹夜したりして結果が悪かったときに言い訳できる行動をすることです。

セルフ・ハンディキャッピングのデメリット

セルフ・ハンディキャッピングは人の心が傷つかないようにする効果がありますが、反面デメリットもあります。

自己防衛に意識が向く

セルフ・ハンディキャッピングは自己防衛の言動なので、そちらの方に意識が行きすぎて肝心の目標達成がおろそかになります。

試験前などに徹夜するなどはむしろ目標の達成を困難にしていると言えます。

周囲への悪い印象

主人公がセルフ・ハンディキャッピングのセリフを言うシナリオを読ませる実験をしたところ、主人公が嫌われる比率が高くなったという実験結果があります。

現実でも言い訳を言う人は嫌われる可能性が高いので、周囲によい印象を与えることはできません。