ナイーブ・リアリズム

ナイーブ・リアリズム(Naive Realism)は、自分が客観的に物事を見ていると考えている状態のことで、その結果、自己中心的な意見にたどり着いてしまいます。

具体的には「自分は室内の温度が低くて寒いと感じている。そこで周囲の人も寒いだろうと思いエアコンの温度を高くした。」といった例が挙げられます。

温度が低いと感じたのは、客観的な判断ではなく自分の主観的な判断です。

その判断を元にして勝手に温度を上げているので自己中心的と言われても仕方がないでしょう。

たとえ、室温から寒いと判断したとしても、厚着の人も薄着の人もいるのであれば、それも客観的な判断とは言えなくなります。

このように自分では客観的だと思っていること自体をナイーブ・リアリズムと言います。

ナイーブ・リアリズムの実験

ナイーブ・リアリズムの実験としては以下のものがあります。

被験者に対して以下の質問をします。
「ハイキング中に遭難した人たちは、のどの渇きと空腹のどちらで苦しんでいるか」
ただし被験者の半数は運動後で喉が渇いている状態でした。

その結果、喉が渇いている状態の被験者グループでは遭難者が喉の渇きで苦しんだと回答する比率が高くなりました。

このように自分自身の主観が回答に影響する傾向があることが証明されています。