セルフ・コンパッション

セルフ・コンパッション(self-compassion)は「自分への思いやり」という意味で、失敗や困難に直面したときに自分自身をいたわる心理状態のことです。

テキサス大学オースティン校准教授のクリスティン・ネフがセルフ・コンパッション研究の先駆者と言われています。

セルフ・コンパッションの要素

クリスティン・ネフの著書によるとセルフ・コンパッションは以下の3つの要素から成り立っています。

自分への優しさ

苦しみや悲しみ、自らの欠点に直面したときに、それらを無視したり、自己批判することでさらに自分を傷つけたりするのではなく、自分自身に温かい態度で接することです。

つまり自分の強みや長所を認めて自分を慈しむことになります。

• 共通の人間性

苦しみや失敗を「個人的な経験」として認識し自分を孤独に追い込むのではなく、人間の共通の経験の一部であると認識します。

つまり苦しみは誰にでもあることだと肯定的に認識することです。

• マインドフルネス

感情が過度に抑制されたり誇張されたりしないためには、否定的な感情に対してバランスの取れたアプローチを取る必要があります。

否定的な考えや感情をオープンにして、マインドフルな意識の中で観察します。

マインドフルネスは個人が自分の考えや感情を抑制したり否定したりすることなく、そのまま観察する、良し悪しの判断をしない受容的な精神状態のことになります。

なお、マインドフルネスは仏教用語の訳語でもあり、瞑想によって鍛えることができるとされていて、マインドフルネス瞑想やマインドフルネス認知療法といった言葉もあります。