敵意帰属バイアス

敵意帰属バイアス(Hostile Attribution Bias)は、心理学の帰属バイアスのひとつで他人のあいまいな行動を敵対的として解釈する心理バイアスです。

自分では普通に接しているのに相手がやたらと攻撃的だったり、舌打ちをしたりといった場合は、相手に敵意帰属バイアスがかかっている可能性があります。

敵意帰属バイアスが強い人の感じ方

敵意帰属バイアスが強い人は以下のような傾向が強くなります。

  • ただ質問をされただけなのに、強く詰問されたように感じてしまう
  • ほめられたはずなのに、嫌味や皮肉を言われたように感じてしまう
  • 単に話をしているだけなのに、自分を否定されたように感じてしまう

心理学の「帰属」には、自分の言動を何のせいにするのかという意味があります。

つまり敵意帰属バイアスは、敵意が自分の言動の原因になっているということになります。

敵意帰属バイアスにとらわれやすい人の特徴

敵意帰属バイアスにとらわれるのは、考え方がゆがんでいて思い込みに縛られている状態です。

実際に存在しない敵意を感じるという点で、被害妄想にとらわれているのに近いと言えるでしょう。

以下のような人は敵意帰属バイアスにとらわれやすいと言えます。

  • 自信がない
  • 自己肯定感が低い
  • 視野が狭い
  • 経験が浅い

上記をトータルで考えると弱い自分を守るために攻撃的になっている状態です。

敵意帰属バイアスの見分け方

単なる誤解と敵意帰属バイアスはまったく違う物なので、それを見分けた上で対処する必要があります。

基本的に誤解であれば論理的に説明すれば相手は納得する可能性が高いでしょう。

しかし、敵意帰属バイアスの場合は誤解ではないので、いくら論理的、合理的な説明をしても相手が納得することはありません。

いくら説明しても理解を得られない場合は、敵意帰属バイアスを疑ってみましょう。

敵意帰属バイアスへの対処法

敵意帰属バイアスにとらわれている人には説得は無駄なので、言い訳や説明は一切しないほうが賢明です。

単なる誤解を解くよりも思い込みを解くほうがはるかに難しいからです。

思い込みはある意味、宗教のような物なのでそれを改宗させようとするには、相当の努力や時間が必要となるでしょう。

相手にもよりますが、これから長く付き合うような人でない限り、説得は試みずに距離を置くことが大切です。

また、その後もなるべく関わりを避けて、距離を置いたままにしましょう。