イエス・アンド法

イエス・アンド法は心理学を応用した会話術のひとつで、相手の意見を相手に不快感を与えずに否定する方法です。

いったん相手の意見を肯定してから否定するイエス・バット法がありますが、さらに否定感をなくした上でスムーズに意見を覆す方法と言えます。

同様の話術に「イエス・イフ法」や「イエス・バット法」があります。

同じ相手の意見を否定するイエス・バット法では明らかに否定の接続詞を使用するので、否定感が強くなりますがイエス・アンド法では否定の接続詞は一切使いません。

最終的には否定しますが、否定の接続詞を使わないので、文法的には矛盾する文章になり得ますが、会話の中ではそれほど不自然にはなりません。

それではイエス・アンド法の具体例を見てみましょう。

イエス・アンド法の具体例

イエス・アンド法ではいったん相手の意見を肯定してから、否定には聞こえない接続詞を挟んで相手の意見を否定するという会話術です。

日常会話の例

A「今日は焼き肉を食べたいね」
B「いいね。それなら、このお寿司屋もおいしそうでおすすめだよ。」

否定に聞こえない接続詞には上記の「それなら」の他に、以下の接続詞があります。

  • 実は
  • そして
  • では
  • 一方で
  • さらに
  • 加えて

イエス・アンド法は日常会話でも使えますが、より効果を発揮するのはビジネスシーンです。

ビジネス会話の例

A「この商品は高いね」
B「そうですね。実は、性能が非常に高いので価格も高いんです。」

A「C案よりもD案がいいと思うんだけど」
B「そうですね。さらに、D案のこの部分を加えるとより良くよくなりますよ。」

文章としてみた場合どちらのケースも後半で否定しているので、文法的には否定の接続詞を使ったほうがしっくりきます。

しかし、会話の中では否定の接続詞は耳に残り否定されたという気持ちが残ってしまいます。

それに対して明らかな否定の接続詞を避けるイエス・アンド法を利用すると、否定されたという意識を与えることなく、自分が求める結論に導くことができます。