認知論

認知論はアドラーの心理学で提唱している考え方のひとつで、人は現実それ自体を見ているのではなく、現実を自ら意味づけ解釈したものを体験しているという考え方になります。

認知の例

たとえば、認知論の考え方ではコップに水が半分入っている状態を見た場合、2つの見方が存在します。

  • 水が半分なくなったコップ
  • 水が半分入っているコップ

つまり同じ事実を見ていても考え方が違えば、見た感じも違うと言うことです。

アドラーはこうした物の見方の違いを「認知」と定義して、人はそれぞれの認知で解釈した事実を見ていると考えました。

わかりやすい例では、よくネガティブ思考やポジティブ思考と言われていますが、否定的な考え方をする人と肯定的な考え方をする人では、同じ事実でも正反対の解釈をしてしまいます。

つまりこれが「認知」が違うと言うことになります。

認知が人によって違う理由

アドラーは子供の頃に認知が組み合わさって枠組みが決まり、その人の「ライフスタイル」を作り上げると考えました。

ライフスタイルは以下の要因によって蹴っているとアドラーは考えました。

1. 決定因:自己決定
2. 影響因
1. 身体的な影響
1. 気質の遺伝
2. 器官劣等性(身体的に弱い部分がある)
2. 環境
1. 家族関係(兄弟、姉妹関係、家族の雰囲気)
2. 文化(育った国の文化、時代、言語)

決定するのはあくまで自分であり周囲の環境などから影響は受けますが、最終的には自分自身でライフスタイルを作り上げます。

 

そのため、一度作ったライフスタイルを変えることは困難になります。

しかし、「認知」によって自分の考え方が作られていることを知ることで、その認知を変えることも不可能ではありません。