心理学用語

おとり

心理学における「おとり」とは?

心理学における「おとり」は、デコイ効果(Decoy Effect)とも呼ばれ、選択肢の中に明らかに劣る選択肢(おとり)を加えることによって、他の選択肢がより魅力的に見える心理現象を指します。

具体的には、以下のような例が挙げられます。

ある商品の価格が3,000円、4,500円、6,000円の3種類ある場合、4,500円の商品はおとりとなり、3,000円の商品はより安く、6,000円の商品はより高く見える

レストランのメニューに1,000円のハンバーグと1,500円のステーキがある場合、1,200円のハンバーグをおとりとして追加すると、1,000円のハンバーグはより安く、1,500円のステーキはより高級に見える

旅行代理店のパンフレットに3泊4日の旅行プランが2種類ある場合、1泊3日の旅行プランをおとりとして追加すると、3泊4日の旅行プランはより充実して見える

おとり効果は、以下のような要因によって説明されています。

比較: 人は選択肢を比較することによって判断するため、おとりがあることによって、他の選択肢がより魅力的に見える

相対評価: 人は物事を単独で評価するのではなく、他の物事と比較して評価する傾向がある

認知的負荷: 人は多くの選択肢から1つを選ぶ際に、認知的負荷が高くなるため、おとりがあることによって、認知的負荷を軽減できる

おとり効果は、マーケティング、広告、価格設定など様々な分野で活用されています。

マーケティングでは、新商品の発売時に高い値段を設定し、その後値下げすることで、初期値を高いものとして顧客に印象付け、商品の価値を高く見せることができます。

広告では、商品の性能や価格を強調する際に、比較対象として低い数値を提示することで、商品の優位性を強調することができます。

価格設定では、商品の定価を高く設定し、セール時に割引することで、顧客にお得感を与えることができます。

おとり効果を理解することは、自分自身の行動や消費行動を理解し、より賢く行動する上で役立ちます。

参考URL

心理学用語集: デコイ効果

https://pl.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:Nasza_odpowied%C5%BA_na_krytyk%C4%99

【心理テクニック】デコイ効果とは? 営業や説得で効果的に使うためのポイントを解説

https://www.youtube.com/watch?v=qILnm5WbQdg

ブレークイーブン効果の心理:人はなぜ損失を取り戻そうとするのか?ブレークイーブン効果の4つの法則とは?

https://www.youtube.com/watch?v=qILnm5WbQdg

【心理学】アンカリング効果とは? 人は最初の情報に引きずられる心理


Copyright(C) 2012 心理学用語で探検する心の世界 All Rights Reserved.