ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは

ピグマリオン効果とは、誰かの高い期待が私たちの行動を向上させ、その結果、ある領域でのパフォーマンスが向上するという状況を表すものです。

より大きな期待をされると、人はより良い行動をすることを示唆しています。

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ピグマリオン効果の由来

ピグマリオン効果とは、ピグマリオンという彫刻家が、自分の作品であるガラテアと恋に落ちるというギリシャ神話に由来しています。

彼のこの彫刻への思い入れがあまりに強く、彼女をまるで生きている女性のように扱いました。

最後にはアフロディーテの働きによって、彫刻に命が吹き込まれます。

ピグマリオン効果に関する実験

マウスを使った実験

社会心理学の研究者であるロバート・ローゼンタールは、ピグマリオン効果について次のような実験をしました。

ローゼンタールは、12匹のラットを無作為に6匹づつ分けて、それぞれ2つの学生グループに与えました。

2つのグループには、6匹のラットを訓練して迷路を歩かせるよう依頼しました。

その際、グループ1には「このネズミは非常に難しいテストに合格しているのだから、並外れた結果を期待できる」と説明しました。

グループ2には「このネズミは特別なものではなく、迷路の出口を見つけるのに苦労する可能性が非常に高い」と言いました。

結果は、グループ1のラットのほうが成績が良かったことが分かりました。

学生を使った実験

学生を使った実験では、まず知能テストを受けた学生のグループの中で上位20%の学生を教師に伝えました。

8ヵ月後、最初の知能テストで上位20%だった学生が、他の学生よりも優れた学業成績を収めていたのです。

しかし、実はこの20%は、実験者が無作為に選んだもので、知能テストは行われていませんでした。

なぜこのような優れた学業成績が得られたのでしょうか。

その理由は、教師によって他のクラスメートよりも優れた能力を持つ学生として扱われていたからです。

ピグマリオン効果にまつわる逸話

アメリカの鉄鋼王カーネギーが選んだ初代社長チャールズ・スコーブルは、次のようなことを話しました。

私は人を上手に動かす能力が最大の財産だと思っている。

そして、その人の能力を最大限に引き出す方法は、感謝と励ましです。

上司からの批判ほど、人の向上心を奪うものはない。

だから、褒めるのは熱心だし、欠点を挙げるのは嫌いなんです。

私が好きなことは、心から褒めること、そして惜しみなく褒めることです。

私はこれまで多くの人々に会ってきましたが、批判されたときよりも褒められたときのほうがよく努力します。

関連心理学用語

ステレオタイプ

ステレオタイプとは、年齢、体重、職業、肌の色、性別などによって、社会が人々を本能的に分類するために割り当てる特徴です。

ハロー効果

ハロー効果とは、人やブランドの認知に影響を与える認知バイアスのこと。

プラシーボ効果

プラシーボ効果とは、不活性な物質が、心理的なメカニズムによって身体に改善をもたらすこと。

自己効力感

自己効力感とは、ある人が将来の状況において、どれだけうまく行動計画を実行できるかを決定する、その人特有の信念の集合のこと。

ゴーレム効果

ゴーレム効果とは、ピグマリオン効果とは全く逆の効果。